米国の早期発見イニシアティブ~膵がん切除率向上を目指して~
米国の早期発見イニシアチブ ~膵がん切除率向上を目指して~
PanCANは、膵臓がん患者の生存率向上を目指して1999年に設立された非営利団体です。その活動の一環として、2018年より早期診断の強化と手術適応患者の増加を目指す「早期発見イニシアチブ」に取り組んでいます。以下は、このイニシアチブの現状と今後の展望についてまとめたものです。
▪進捗と成果
- PanCAN 早期発見プロジェクト: 2018年に開始された大規模な研究プロジェクトで、成人発症型糖尿病の患者を対象に膵臓がんのスクリーニング検査を実施し、早期診断の可能性を検証しています。糖尿病と診断された成人患者の約1割が膵臓がんが原因とされていることから、米国では1万5000人以上の糖尿病と診断された患者を登録し早期発見に向けたスクリーニング・モニタリングをしており、2024年に preliminary な結果が発表される予定です。このプロジェクトの目標は、早期発見につなげて手術適応率を向上することです。
- PanCAN Know Your Tumor® プログラム: 膵臓がん患者が診断時にがん遺伝子パネル検査を受け、ゲノム医療を含む治療選択肢についての理解を深めるための教育プログラムです。1万人を超える患者さんにパーソナライズされたゲノム医療を受けるために必要ながん遺伝子パネル検査の情報とゲノム医療の選択肢に関するリソースを提供し、膵臓がんのゲノム医療に関する患者のエンパワーメントにつながっています。
- 政策提言活動: 膵臓がん研究への資金増額、早期発見ツールの開発、スクリーニングおよび治療における保険適用範囲の改善など、政策改革を通じて膵臓がん対策の改善を積極的に提言しています。2010年に上院と下院で支持された「膵臓がん研究教育法案(Pancreatic Cancer Research & Education Act)」の提出もその一環です。この法案は、2013年1月にオバマ大統領によって署名され「難治性がん研究法(Recalcitrant Cancer Research Act)」として成立しました。その結果、膵臓がん患者の9割に発見され、医薬品開発は特に難しいといわれたKRAS遺伝子変異を研究する「RASセンター」が創立され、20憶円の研究予算が割り当てられ、膵臓がん研究を大きく前進させました。



















